小川駅西口地区第一種市街地再開発事業の周辺説明会が8月29日、8月31日と開催されました。8月31日の部に参加しましたのでご報告します。

主催者、告知について

主催者は、小川駅西口地区市街地再開発準備組合で、小平市地域整備支援課はオブザーバーという形で参加していました。昨年3月の周辺説明会は周辺ポスティング告知のみでしたが、今年は小平市のホームページからもお知らせがありましたので、早めに知ることが出来て無事に出席することが出来ました。なお当日配布された資料は、準備組合のホームページから公開されています。

今回の説明と、質疑に回答したのは、地権者である準備組合の理事長、副理事長、事務局長、事業協力会社である旭化成不動産レジデンス社(デベロッパ)、INA新築研究所(コンサルタント)と、小平市の地域整備支援課でした。

計画の概要

開発の目標や整備方針は昨年の3月の説明会の際の文章と全く同じで「小平市の西の玄関口となり、地域の生活を支える小川地域拠点の形成」とされています。昨年のわたしたちのまちのつくり方の主催のイベントでいろいろ意見しており、小川という土地ならではの地域、歴史、環境のことも考慮に入れて整備方針を検討してもらいたいと申し入れしましたが、部外者が何を言ってそうそう変わるものではありません。

地区整備のイメージは下図の通りで、これまで提示されていた図と何も変わっていませんがよく見ると住宅用駐車場タワー機械式や、交通広場北側、自由通路の東側にスカレーターの絵も追加されています。駅への東西自由通路は、建物から小川駅に2階で接続される部分になりますが、小平市の事業として西武鉄道と計画を進めているとの説明がありました。施設には地上階からエスカレータで2階にあがり、そのまま駅に向かうことが出来るルートが出来るように検討していると説明がありました。また、交通広場の地下には駅利用者用の駐輪場が市の事業として計画されており周辺の駐輪需要(当日の市の説明にはなかったが1,000弱/日程度)を満たす容量で、計画されているそうです。

商業施設への物流車両は区画道路1号を地図の下(南)側(右折)で入り、下(南)側(左折)で荷捌きに出入りすることを想定、一般車両は地図の上(北)側の区画道路2号に市道から入り北側にある施設駐車場(自走式)に入ることを想定していると説明がありました。なお商業施設の間の南北道路の道幅は4mで計画されているそうです。今回の資料にはありませんでしたが、2018年8月の都市計画決定時の資料によると、区画道路1号、2号は幅員10m、区画道路3号は幅員4mと説明されています。

施設構成イメージもこれまで公開されてきた図とほとんどかわっていませんが、建物の高さが約98.5m、地上27階、容積対象床面積、延べ床面積などの数字が昨年の資料から少しずつ変更になっています。

4階、5階は小平市が買い取る予定であることが 説明がされて、小川西町公民館、西部市民センター、小川西町図書館のすべての機能と、小平元気村おがわ東の機能の一部が移動することが現在小平市の公共施設マネジメント課により検討されているという説明がされました。

事業の予定スケジュール

予定スケジュールについては、令和元年度(2020年3月末まで)中に東京都からの事業認可決定がされる予定と説明がありました。 あと数名で2/3以上の地権者42名(土地所有者26名、借地権者16名のそれぞれの2/3以上)からの合意が得られるため、事業認可手続きに入れる目処がついたので今回の周辺説明会に至ったとのご説明でした。

以後、最短の目標スケジュールとして令和2年度(2020年度)に権利変換認可を経て、建物解体と工事着工、令和4年度(2022年度)以降に工事完了を目指しているとの説明でした。当日の説明にもあり、図の右側の注期にもありますが、目標とする最短スケジュールと記載があり事業認可以降のスケジュールは、決定しているものではないと説明がありました。

解体を除く工期は2年半、市の事業である地下駐輪場の整備も2年から2年半という説明がありました。必ずしも同時進行にならないが、現在ある駐輪場の利用者が止める場所がなくなって、違法駐輪などをすることのないように仮の駐車場も含めて検討するとの説明がありました。

主な質疑応答

Q)開発エリア内の地権者、借地権者の店舗、住居は、権利変換になり高層で商売をされる方、住居棟に移住される方の割合はどのくらいになりそうですか?

→(組合)事業認可以降、権利変換認可までに行うことで現時点では決まっていない。

Q)東西自由通路、地下駐輪場を除く総事業費は昨年9月の市議会の都市基盤整備特別委員会の説明では183億円であったが、現時点での総事業費は?

→(組合)約188億円になりそうな見込みである。

Q)店舗に入るお店は?

→ (組合) 事業認可後にはっきりさせていく。出店意欲の調査を行ったところスーパーマーケットは意欲を示していた。

Q)店舗は外向きに店を構えることは出来るのか?

→ (組合) 1階は外から出入りできる形になる。2階は店舗の床面積が決まってこないと何とも言えない。

Q)国分寺再開発の住居棟、野火止用水の北側の新しくできたマンション(ディスカバ・テラスなど)は販売苦戦していると聞いている。投機目的も多いと聞くが、どのように考えているのか?

→ (組合) 苦戦情報は耳にしている。販売されたけど住んでいないマンションにならないようにファミリータイプとして住んでいただく方にご案内していきたいと考えている。

Q)工事中の車の出入り、相当混雑することになるがどう考えているか?

→ (組合) 周辺住民に迷惑をかけないように計画してすすめたい。

Q)八雲祭のお神輿はこれまで私有地に止めさせてもらってきたが、どうなるか?

→ (組合) 広場の利用なども含めてこれから協議していきたい。

Q)建物の権利床の価格は公表されるのか?

→ (組合) 組合員(地権者)にのみ公表になる。一般の人が知るのはマンションの分譲価格は目にすることになると思う。

Q)職業訓練大学校前の緑、府中街道の拡幅でも緑を多く切っている。緑の確保はどのように考えているか?

→(小平市)東京都の景観条例に従って緑被率を確保したい。

Q)産業振興や自然環境調和は市としてはどう考えているか?

→(小平市)駅の拠点に集まってくる人が周辺への波及効果を与えることを期待して計画している。駅周辺は緑の空白地帯になっている緑の拠点としたい。

感想

昨年はわたしたちのまちのつくり方でイベントも行っており市からも準備組合から、開発エリアの店舗からもお話を聞いてきました。今回の説明は昨年入手した情報からはほとんど変わっていないというのが感想です。

小平市も間もなく人口減少社会に向かっていく現状で、周辺の不動産余りが目に見えてきている状況で、時間が経過すればするほど再開発は収支がきびしくなることが予想されます。

そんな中、地権者は (小平市や西武鉄道も含めて) 42名もいるため、一人一人が権利変換で建物に入るのか、 (補償金で)転出するかなどの調整に時間がかかると予想されます。推測になりますが、新しい建物の商業棟、住居棟の固定資産税、管理費、修繕積立費、駐車場代などがはっきり見えてこない不安の中で、まちづくりに協力したいという思いで、地権者も事業認可(組合設立)に同意している状況と思われます。

意欲的に商売をされている自分も利用している 魅力的なお店が数件ありますが、新しい建物か、あるいは駅周辺でお店を継続できることを願いつつ、少しでもお店を利用しながら今後を見守りたいと思います。

準備組合側や小平市には、地権者との調整で忙しいとは思いますが、周辺住民や駅の利用者の意見や思いも取り入れて計画に反映してもらう機会を増やしてもらいたいと思います。

以上(文責・神尾直志)