その5は、「小平市の都市農地の保全について」についてです。

2021年4月4日小平市長選挙が実施されます。16年ぶりに市長が変わります。

「わたしたちのまちのつくり方」では、市議会議員をつとめてきた二人の立候補予定者に、公開アンケートを行って回答を得ましたので結果を発表します。質問した内容は以下の9点です。その5では、7.都市農地の保全についての結果を公開します。

是非ご覧になっていただき選挙の参考にしてください。

※)「政治・知りたい、確かめ隊」が実施した↓市長選挙立候補予定者の公開演説会

https://youtu.be/62Pghe-732g 

また、市議会議員補欠選挙に立候補予定の方にも、自己PRしていただきました。15分ほどの内容です。↓市議会議員補欠選挙立候補予定者の公開演説会https://www.youtube.com/watch?v=NZgehu17QQ8

尚、配信は、いずれも4/4(日)午後8時までです。

鷹の台ひとえん会にて3/24実施の公開討論会はこちら

https://www.youtube.com/watch?v=0mLoi7uzq8w

00’00” 冒頭ガイダンス 02’07” 主催者あいさつ  06’17” 進行要領   06’56” 自己紹介 12’47” なぜ市長に立候補するのか? 19’17” これからの小平市のまちづくりの課題と対策 25’23” 市内公園の課題と対策 31’26” 財政と民活について 37’24” 市民参加の今後 42’56” 自由なテーマで 49’30” 小平市はここがこう変わるべき 54’26” これから休憩 そのあと質疑応答 54’58” 会場からの質問

その5のダウンロード版のPDFはこちら

※)URLの転載、SNSでの紹介または、ダウンロード印刷、配布は大歓迎です。許可は不要ですので、このテーマが気になるという方、よろしくお願いします。

※)立候補予定者の公式HPはこちらを参照ください。

小林洋子氏、磯山りょう

小平市の都市農地の保全について

小平市全域は都市計画法の市街化区域に指定されており、市内の農地は宅地化すべき土地として位置づけられていました。しかし、2015年、都市農業振興基本法が施行されて、都市農地は宅地化すべきものから保全されるべきものとなり、それに基づき小平市では2018年4月に都市農業振興基本計画を策定しました。また、同年「都市農地の貸借の円滑化に関する法律」の施行によって、新規農業参入者1名、在住市内農家3名の合計4名が市内8カ所の農地を借りており、小平市の農業も良い方向に向かって来ています(※1)。

市内には、市民に多様な農業体験の場を提供する体験農園が現在4農園あり、市は開設する農家に補助金を出しています。また、学校給食の食材として地場産農産物を購入・運搬等の経費に補助をして、小平産野菜の地産地消を促進し、学校給食における地場野菜納入率は、2019年度 小学校31.4%、 中学校は31.7%(※2)と東京都では先駆的となっています。しかし、市内の生産緑地は、2007年 203.1ha、2019年 161.5ha(※3)と、12年間で20.5%減少しました。

都市農地の減少の主要因は相続です。都市農業だけでは収入を確保することが難しく、多くの農家は不動産収入を得ることで生計を維持しているのが現状です。後継者が終身営農し、納税猶予措置を受けることで生産緑地分の相続税は猶予されますが、不動産と自宅は猶予の対象とならず、相続が発生すると所有不動産と自宅には「億」単位で相続税が課せられます。収入源の不動産と自宅は売却するわけにもいかないため生産緑地を売却せざるを得ないのが現状です。

農家以外の持たざる者から見れば、宅地と不動産には相続税を課せられて当然と考えられる面もありますが、農機具を置く資材倉庫、農作業スペース、直売所といった、農家の生業に必要な場所や、屋敷林も宅地扱いです。周辺市民からみても、震災対策用井戸、屋敷林の景観などの役割から学童農園など食育(※4)の際は集合場所や説明の場所として役割を果たす場合もあり、農家の宅地部分も市民に貢献しています。

都市農業振興基本法の第八条には、「政府は、都市農業の振興に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上、税制上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない」とあります。最大の課題である相続税についても措置を講じる宿題を残している状態であり、市町村レベルで相続税の問題に対して国に要望できる余地を残しています。

1992年に生産緑地法によって終身営農を条件に相続税猶予措置を受けている生産緑地が2022年には30年を迎えて市町村に買い取り請求ができるようになる予定でしたが、2017年の生産緑地法改定で、特定生産緑地に指定されると2032年まで10年間は現行通り相続税の納税猶予を継続できることになりました。小平市内の納税猶予を受けている生産緑地約149haのうち、そのうち約80ha(※1)が納税猶予を受けていますが、特定生産緑地への申請は現在約62%の約92ha(※5)にとどまっており2022年以降の生産緑地としての維持が懸念されています。

※1)農業委員へのヒアリング
※2)小平市農業振興計画進捗状況(平成30年度・令和元年度)
※3)(仮称)小平市第四次長期総合計画(素案)より
※4) 「食育」とは「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てることです。小平市農業振興計画によれば、食育プログラムとして、小平市内の全小学校(19校)で、児童が農業体験学習をする学童農園が市から指定された農地で農家の指導のもとに行われています。
※5)2020年12月11日 小平市都市計画審議会 資料より
※6)横浜市の横浜みどり税は、市民税の均等割に年間900円上乗せ、法人には市民税の年間均等割額の9%相当額を上乗せで、税収規模、約29億円の財源として、横浜みどりアップ計画などに使われています。

生産緑地買取について

Q) 条件に該当する生産緑地を所有する農家から市長に対して買い取りの申し出があった時、買い取り、市として農地として残す検討をしますか。その場合の財源としてみどり税等(※6)の導入を検討しますか。
1.YES 2.NO 3.その他

1.YES

みどり税を導入した場合は農地買取のみならず、みどりの保全全般に事業を広げる必要があり、横浜市と人口規模の違う小平市でどこまで財源として確保できるかも課題であると考える。

また、相続で農地を売ることは農家側からすると仕方のないことと捉えがちだがこれ以上小平から農地が減ってしまわないように何らかの対策を取る必要があると考える。小平を選んで移り住んできた方の多くは『みどりが多くていい街だから』を選んだ理由とすることが多い。であるならば小平の魅力であるみどりを減らさない努力をしていく

3.その他

買い取りの申し出がなされた場合、買い取りの可能性については当然検討してまいります。しかしながら、現状において、すべての買い取り申請に応えることは、財源の問題もあり極めて困難であると考えます。

これらの問題を解決するためには、財源の確保についての議論が不可欠です。しかし、一方で、みどり税等の新たな税制の導入については、市民の負担増になりますので、慎重に議論を重ねる必要があります。

国、東京都への税制改正についての要望を行うとともに、当面は財政状況を考慮しつつ、既存の基金等の利用を図りながら、できる範囲で積極的に対応してまいりたいと考えております。

相続税問題、農地保全について

Q)相続税は国税の問題ではあり市長の立場ではどうにもならない面がありますが、都市農業振興基本法の第八条にある税制上の措置について、国に働きかけるなど都市農地保全に取り組む意欲はありますか

1.YES

上の回答でも述べたように、みどりや畑が多いことは小平市の魅力の一つである。その緑をまもるためにできることはやっていく。

農業支援~小平市の都市農業を守ります!
・市役所等で定期的に農家マルシェを開催するなど地場野菜や地場産品の販売・流通を促進します。また地場野菜を使った商品やレストラン支援で小平の食の楽しさを発信し、市内商業を活性化します。
・農家の後継者や、新たに就農したい人など若手農業者を支援します。
・体験農園の数を増やし体験農園を支援します。
・農家の初期投資に無利子貸付導入を検討します。
・地元農産物を小中学校給食で利用しさらに地産地消を進めます。
・GAP認証や有機栽培、ネオニコチノイドフリー宣言など、小平市の農作物に付加価値をつけ、ブランド化します。
・生産緑地の賃貸借のマッチングの仕組みを作り、農地の貸借をしやすくする。さらに新規就農を後押しします。
・農地の収益を上げるために生産緑地にソーラーシェアリングの設置を検討します。

1.YES

たしかに『相続税の問題は市長 (の裁量や権限)では 、どう することもできない』 と いう 指摘があります。 しかし、都市農政を守っていくためには、近隣自治体の長や東京都と連携し、国へ要望をしていくことが必要です 。それでも難しい課題 で あると思いますが、市としてできるだけのことをしていく 所存です。

また、地元生産者、消費者、 JA 等の農業団体と連携を し、市の施策も充実させていきたいと思います。

具体的には、食育の観点も踏まえ地場産農産物の学校給食への導入率日本一を目指します。さらには、地場産農産物の小平ブランドの確立への支援や、販路拡大への取り組み支援、生産性向上のための支援等を行ってまいります。

小平市の都市農地の保全について

その5ダウンロード版のPDFはこちら

※)URLの転載、SNSでの紹介または、ダウンロード印刷、配布は大歓迎です。許可は不要ですので、このテーマが気になるという方、よろしくお願いします。

以上

問い合わせ先 神尾直志 080-5071-0255

e-mail: kamihoo2011@gmail.com

カンパ歓迎です